無限に広がるファイル転送
2011年10月01日 16時43分
SF小説の上での話だとばかり思っていた。原発事故による放射能汚染の恐怖。今やこれは想像上のものではなくなってしまった。半世紀ほど前まで、一体誰がこの様な事態が現実に我々の上に起こりうると想像できたであろう。現実が想像の世界の時間を飛び越えていってしまう世の中になってしまった。核戦争後の世界を描いた話は山ほどあるが、すでにそのような世界が現実に忍び寄って来ているのかもしれない。コンピュータの世界でもこれは同じなのかもしれない。ファイル転送機能がある。
ファイル転送なんてものは、もはや日常の当たり前の出来事である。アップロードにダウンロード。小学生でも知っているだろう。クラウドコンピューティング。雲の上にデータをあげて、それが必要になった時だけ、どこからでも取り出せる。これも今では普通に行われている。今や全世界にネットワークのシステム網は張り巡らされ、データは瞬時にして転送される。人の記憶は、神経細胞でつなぎ合わされた脳の中を駆け巡って、その死の時まで「長期記憶」として保存されるという。
今や地球全体がまるで一個の「脳」のようだ。その中では我々の送ったすべてのデータが誰にも知られることなく永遠に保存されているのかもしれない。そのことに人間が気付いた時には、独り歩きしだしたコンピュータの手によってそれらが管理されている。個人の秘密は云うに及ばず、各国の極秘情報までもが完全に知られてしまっているのだから、人類は手も足も出なくなる。そしてやがて。あなたのそのファイル転送が、ひょっとしてその第一歩になるかもしれない。